研究課題/領域番号 |
25861286
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
田村 健太郎 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00423913)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 術中皮質脳波 / セボフルラン / 側頭葉てんかん / てんかん外科 |
研究概要 |
側頭葉てんかん手術において,自動スパイク検出ソフトウェアで計測したセボフルラン賦活術中皮質脳波上のスパイク検出率が慢性頭蓋内脳波記録の代替として適切かどうか評価を行った【方法】側頭葉てんかんに対して頭蓋内電極留置術を行った16例(海馬硬化症4,腫瘍3,海綿状血管腫2,皮質形成異常7(うちMRI無病変4))を対象とした.慢性頭蓋内脳波記録により発作焦点を同定,内側あるいは外側側頭葉てんかんと診断(それぞれ8例).切除術の開頭前にセボフルラン濃度を変化させ,慢性頭蓋内脳波記録を行った同一の電極で0.5および1.5MACでの術中皮質脳波をそれぞれ10分間記録.自動スパイク検出ソフトReveal (Persyst Development Corp.)を用いて,全体の80%以上のスパイクが検出される電極を決定(側頭葉内側最大2,外側最大8電極),10分間あたりのスパイク検出数を電極数で除した数字をスパイク出現率とした.それぞれの濃度での側頭葉内側と外側のスパイク出現率および,0.5から1.5MACに増加させた際のスパイク増加率を測定した.【結果】内側側頭葉てんかん群と外側側頭葉てんかん群で,0.5,1.5MACの内外側のスパイク出現率に有意差はなかった.0.5MACから1.5MACに増加させた際の増加率は,内側側頭葉てんかん群で5.22±2.20倍となり,外側側頭葉てんかん群(1.64±1. 10)に比較して有意に高かった(P<0.01).【考察】セボフルラン0.5および1.5MAC賦活下術中皮質脳波のみで側頭葉てんかんの内外側焦点を区別することは困難であったが,セボフルラン濃度上昇によりスパイク出現頻度が増加するが,その増加率が高い場合,内側側頭葉てんかんである可能性が高いと言える結果であり,増加率に注目すると術中皮質脳波が側頭葉てんかんの焦点同定に有用である可能性がある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在上記の内容を論文投稿中である.
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今後の研究の推進方策 |
現在高周波振動を測定できる術中脳波計を導入して1年経過,症例数も徐々に蓄積しつつあり,今年度は,あらたに脳波解析ソフトウェアを導入し,術中皮質脳波における高周波振動に関する研究を開始する予定.
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次年度の研究費の使用計画 |
脳波解析プログラムを今年度購入したが,高周波振動を解析するためにはあらたなな解析可能なソフトウェアを購入する必要がある.今年度の直接経費では足らず,次年度に交付される直接経費に加えてようやく購入できるため. 高周波振動解析ソフトウェアを購入する.
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