研究課題/領域番号 |
25861293
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
伊藤 圭介 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (70622934)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 脳虚血 / 自然免疫 / TLR4 |
研究概要 |
TLR4 ノックアウト( = KO)マウスを用いて作成した骨髄キメラマウスに、脳虚血負荷を与えて脳虚血障害の程度を検討した。方法としては、致死量の放射線(9Gy)を投与した雌のTLR4 ノックアウト(= KO)マウスに、雄のTLR4 KOマウスのhomo type 又はwild typeの骨髄を移植し、骨髄キメラマウスをそれぞれ作成した。骨髄移植が成功しているかどうかを調べる為に、実験終了後骨髄を採取し、PCRにて雄特有の遺伝子パターンを確認した。作成した骨髄キメラマウスに脳虚血負荷(中大脳動脈永久閉塞)を与えて24時間目での脳梗塞量の程度を検討した。その結果、wild typeの骨髄を移植した時に比して、homo typeの骨髄を移植した場合、平均21.1%の梗塞量の減少が見られた。また、TLR4 KO マウスのhomo typeとwild typeから初代培養神経細胞やグリア細胞、骨髄由来単球・マクロファージを採取し、それぞれ,LipidAやLPS負荷による影響を検討した所、TLR4 KO マウスのwild typeでは24時間以内にNO、IL-6、TNF-alphaの発現を認めたが、homo typeでは全く認めなかった。以上のことより、脳虚血障害のうち、20%は骨髄由来の炎症系細胞がTLR4を介して関与していることが、明らかとなった。またその作用機序にNO、IL-6、TNF-alphaといった炎症関連因子が関与している可能性も明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
提出した研究計画に従い、順調に計画が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
提出した研究計画に従い、in vivoで得られた結果を in vitroの系で確認していく。 具体的には、TLR4 KO マウスのhomo typeとwild typeから採取した初代培養神経細胞に低酸素負荷を加えた後、TLR4 KO マウスのhomo typeとwild typeから採取した骨髄由来マクロファージやマイクログリアとの共培養を行う。その際両者をmixして共培養する方法と、culture insertを用いて、同じwellで培養するが、両者を別々で培養する方法を合わせて検討する。これにより、骨髄由来マクロファージやマイクログリアが直接障害ニューロンに作用するのか、それとも液性因子を介して関与するのかを明らかとしていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究は予定通り進んでいる。今回1回のin vivo実験で有意な結果を得ることが出来た。このため追加実験をする必要がなく、40万程度の余剰金ができた。 本年度に遂行予定のin vivo実験はまだ結果が出ておらず、結果次第では更なる追加実験を行う必要があるため、その際には前年度分の余剰金を使用することができる。またもし追加実験を行う必要がなくても、前年度の余剰金を用いて、更に研究を進めていくことができる。
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