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2014 年度 実績報告書

網羅的microRNA発現プロファイリングによる脊柱靭帯骨化抑制療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25861302
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

彌山 峰史  滋賀医科大学, 医学部, 客員助教 (60362042)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード脊柱靭帯骨化 / 後縦靭帯 / 黄色靭帯 / 培養細胞 / マイクロRNA / 骨芽細胞
研究実績の概要

脊柱靭帯骨化症における骨化巣は内軟骨性骨化により形成され、骨化巣の境界には種々の分化過程にある軟骨細胞が層構造をなす骨化前線が存在する。この骨化前線における細胞分化は本症の病態に深く関与し、骨化巣の大きさ、形態、骨化伸展様式に影響を及ぼすと考えられる。本研究では、脊柱靭帯に骨芽細胞を誘導する転写因子、シグナル伝達に関与するmicro RNAの発現について解析を行った。
平成26年度の研究として、頚椎症および頚椎後縦靭帯骨化症の手術時に採取した組織から遊走させた培養細胞に対して、網羅的microRNA解析を行った。その結果では、有効プローブ数は177(up-regulation 58、down-regulation 119)抽出された。このうちFalse Discovery Rate 0.05以下をみたしたmicroRNAが標的とする因子にWnt/β-catenin signalingがあげられた。培養靭帯細胞ではβ-cateninの発現は高値であり、さらには力学的負荷を加えることによってβ-cateninの発現はさらなる上昇を認めた。また、骨化靭帯の病理学的観察では、Wnt/β-catenin signalingは骨化前線および近傍の未分化間葉系細胞に陽性であった。
microRNAのup-regulationは標的遺伝子を抑制的に調節することが指摘されているが、脊柱靭帯骨化症においてはmicroRNAの発現プロファイル変化によってWnt/β-catenin signalingの恒常性破綻がもたらされ、このことが本症の病態に深く関与すると考えられた。これらの研究結果については現在英文論文に投稿中であり、今後は外的素因の負荷や細胞間シグナルなどがmicroRNAおよび標的遺伝子の発現にどのように影響するかなど、さらなる研究を進める予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 整形トピックス 脊柱靭帯骨化における内軟骨性骨化へのサイトカインの関与2014

    • 著者名/発表者名
      彌山峰史
    • 雑誌名

      整形外科

      巻: 65 ページ: 1364

  • [学会発表] 脊柱靭帯に生じる石灰化と骨化2014

    • 著者名/発表者名
      彌山峰史
    • 学会等名
      近江八幡・東近江整形外科懇談会
    • 発表場所
      近江八幡市
    • 年月日
      2014-09-25

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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