椎間板においてmTORが存在し、これが機能しているかどうかを検討した。 まず、mTORの抗体を用いてWestern blot、免疫染色を行い、椎間板におけるmTORの局在を確認した。マウスより顕微鏡下に尾椎の椎間板を採取し、一部はタンパク採取後Wester blotに使用し、一部はホルマリン固定後、免疫染色を行った。Western blotではmTORタンパクの発現を確認でき、免疫染色では線維輪、髄核の軟骨細胞で染色性を認めた。これによりマウス椎間板においてmTORが線維輪、髄核の軟骨細胞に存在することが確認できた。 次にmTORがワークしているかどうかを検討するために、リン酸化mTORとmTORシグナルの下流に位置するS6Kのリン酸化について検討した。椎間板にmTORが存在し恒常的に機能していればリン酸化mTOR、リン酸化S6Kの発現が確認できるはずである。先の実験で用いた、Western blot用のタンパク、ホルマリン固定検体を用いて、リン酸化mTORとリン酸化S6Kの抗体を用いて免疫染色、Western blotを行った。Western blotではリン酸化mTORタンパク、リン酸化S6K蛋白の発現を確認でき、免疫染色では線維輪、髄核の軟骨細胞で同様のタンパクの染色性を認めた。これによりマウス椎間板の軟骨細胞においてmTORが恒常的に発現し、これがワークしていることが確認できた。
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