研究概要 |
マウス膝関節に対する荷重負荷刺激(knee loading)において、0.5, 1, 3 Nの3種類の力での刺激を用いて、5Hzの頻度、1分間の刺激を行い、刺激を行わなかった群と比較検討を行った。0.5, 1Nの力学刺激が膝関節軟骨の蛋白レベルにおいて、p-p38, p-NFkBの発現量がknee loadingを行わなかった群に比べ、低下をしていた。また、MMP-13のレベルは1Nのものが最も効果的に低下させていた。これは適度な負荷のknee loadingがp-p38, p-NFkBのシグナルを介して、MMP-13のレベルを低下させることを示唆させるものであった。以上の結果から我々は1Nの強度のものをマウス膝関節軟骨欠損モデルに使用することとした。 Okamuraらの報告に準じてマウスの左大腿骨前面部に直径0.3mm径のドリルを用いて骨軟骨欠損を作成し、knee loadingの効果をみる予備実験を行った。術後2週間で大腿骨を採取し、サフラニンOで染色して評価を行った。組織切片において、骨孔の同定率は60%程度と低く、また、非loading群においても骨軟骨欠損部の閉鎖、軟骨の回復状態は良かったため、0.3mm径の骨軟骨欠損では非knee loading群においても骨軟骨の再生状態が良いため、本研究ではさらに大きな径での骨軟骨欠損が必要であることが示唆された。 以上の結果より、0.5mm径のドリルを用いることとし、術後2週間、術後4週間の時点で大腿骨を採取して、再度評価を行うことを予定している。
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