研究課題/領域番号 |
25861313
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
海渡 貴司 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70623982)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | BMP / PTH1-34 / spinal fusion / remodeling |
研究概要 |
Bone morphogenetic protein(BMP)はその強力な骨誘導能により欧米では脊椎固定術に臨床使用されている。しかしながら、ヒトでの骨誘導に高用量のBMPを必要とし、それに伴う炎症反応や異所性骨化に関連した合併症が報告されており、低用量のBMPで効率的に骨誘導を行うための担体の改良は併用薬の研究が進められている。採択者らは、骨粗鬆症治療薬として近年本邦でも薬事承認され、またBMPシグナルともクロストークが報告されているテリパラチド(PTH1-34)に着目し、BMP誘導新生骨に対するテリパラチド(PTH)1-34間欠皮下投与の検討を行った。BMP(低用量・高用量の2群)にPTH1-34間欠投与を併用することで、BMP低用量群においてはPTH1-34は骨癒合率を有意に改善し、高用量BMP使用群ではμCTで評価した新生骨の骨微細構造を有意に改善することが示された。力学試験、組織評価にても、PTH投与による骨癒合率の改善・骨質の改善・骨強度の改善を認め、この内容を国際誌に報告した(Morimoto T, Kaito T, et. al. J Bone Joint Surg Am, in press).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は2部構成で予定されている。すなわち、BMPとPTH1-34併用による骨癒合率の改善および骨質の評価、そしてPTH1-34長期投与による新生骨のremodelingに対する影響の検討である。前者は解析が終了し、国際誌にアクセプトされている。現在、後者の研究につき継続実施中である。
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今後の研究の推進方策 |
BMPにPTH1-34を長期(3ヵ月)併用することによる、脊椎固定モデルを用いた新生骨のremodelingに対する影響の検討を行う。in vivo micro CTによる骨微細構造評価およびk骨組織量(tissue volume)の経時的評価を実施、また組織ではカルセイン2重ラベルによる骨形態計測を行い、BMP誘導骨にPTH1-34を長期することにより生じている皮質骨の組織学的変化を解析する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
予備実験に使用する費用が予定より抑制されたが、概ね予定通りの予算執行であった。 研究の広範部分である、BMP+PTH投与の新生骨リモデリングに関する解析を予定通り行う。繰り越し金は、リモデリング解析における骨形態計測に使用する計画である。
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