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2013 年度 実施状況報告書

変形関節症における変性軟骨のコラーゲンネットワーク再構築

研究課題

研究課題/領域番号 25861316
研究種目

若手研究(B)

研究機関島根大学

研究代表者

桑田 卓  島根大学, 医学部, 助教 (80509000)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード変形性関節症 / 関節軟骨 / コラーゲンクロスリンク / リジルオキシダーゼ
研究概要

関節軟骨の機能はグリコサミノグリカン(GAG)とtypeIIコラーゲンにより維持されている。加齢ととともに含有量は減少し、軟骨の力学的強度やマトリックスプロテアーゼ(MMP)に対する抵抗性が低下し変性が進行する。軟骨機能を保持するためには、第3の要素としてコラーゲンの生理的架橋(クロスリンク)によるコラーゲンネットワークの構築と維持が重要であると推察される。クロスリンクの形成量を規定する酵素はリジルオキシダーゼ(LOX)である。変形性関節症の進行過程においてLOXおよびクロスリンク量がどのように変化し、軟骨の力学的性質とどのように関連するかについては不明である。さらに関節軟骨へのLOXの付加がクロスリンクを増加させ得るならば、変形性関節症の進行を抑制する手段になる可能性がある。
平成25年度は、関節軟骨マトリックス内のクロスリンク量と変性軟骨との関連を調査した。日本白色家兎の膝前十字靱帯を切除して変形性膝関節症モデルを作成した。膝関節から取り出した関節軟骨を試料として、ヒドロキシプロリンの定量と、コラーゲンクロスリンク量としてヒドロキシリジルピリジノリンおよびリジルピリジノリンを定量し、クロスリンク量をコラーゲン分子ごとの残基数として検討した。経時的に軟骨の組織学的変性が進行しGAGの含有量が低下するものの、少なくとも術後6ヵ月までにクロスリンク量に有意な変化を認めなかった。さらに長期の調査が必要である。力学的評価として、インストロン力学万能試験機を用いて応力緩和挙動を測定した。変性軟骨の粘弾性が低下する傾向にあったものの、力学的評価とクロスリンク量に有意な関係を認めなかった。
ひきつづき、変性軟骨におけるクロスリンク量の経時的変化を計測してLOX発現量との関連を調査し、さらに組織片および生体に対して各濃度のLOXを付加し、軟骨組成変化や力学的機能変化を評価する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

軟骨の変性とコラーゲンクロスリンク量との関連の証明に至っていないものの、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

変性軟骨におけるクロスリンク量の経時的変化を引き続き計測し、リジルオキシダーゼ発現量との関連を調査する。さらに組織片および生体に対して各濃度のリジルオキシダーゼを付加し、軟骨の組成変化や力学的機能変化を評価する予定である。

次年度の研究費の使用計画

学内研究施設、既存の設備、既存の薬剤および手術器具を主に使用したためと研究の達成度にやや遅れがあるため。
研究の進展にあわせて薬剤の追加のほか測定器具を追加する必要がある。

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公開日: 2015-05-28  

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