研究課題/領域番号 |
25861320
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
瀧川 朋亨 岡山大学, 大学病院, 助教 (80613166)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 脊柱側弯症 / 3次元画像解析 |
研究概要 |
脊柱側弯症は脊柱が側方(左右方向)に弯曲し、ねじれが加わった状態と定義される。加療を要するとされる20度以上の側弯症発生率は女子中学生の0.5%程度とされ、決して珍しい疾患ではない。側弯症の約80%はその発症原因が明らかでない特発性であり、多くは身体の成長に一致して脊柱の弯曲も進行するとされている。弯曲が50度を超えるような高度の側弯では成長終了後も側弯が進行するため手術加療が必要となるため、早期発見と早期治療が有効とされている。早期発見を目的としたスクリーニング検査では、体幹のアンバランス(肩の高さやウエストラインの非対称)や脊椎のねじれによって生じるhump(背中あるいは腰のでっぱり)を視診、触診で診断することが基本となる。非侵襲的な体表変形の診断法としてモアレトポグラフィー法といわれる光の干渉効果を利用した体幹変形の評価法が行われることもある。しかし、等高線のパターン認識に留まることが多く、データのデジタル化による定量的な解析はほとんど行われていない。 本研究では3Dボディスキャナーを用い、脊柱側弯症の体幹変形評価法を確立し、この評価法を装具作成に応用するシステムを構築することを目指している。当該年においては側弯症の体表変形における定量的な評価、分析を行う体制を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3Dスキャナーを用いた体幹評価法を確立した。またCTデータを用いた画像解析法を応用し、新たな脊椎固定法であるCBT(cortical bone tarajectory)法の研究をより進めた。
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今後の研究の推進方策 |
今後はボディスキャンデータからシミュレーションし作成した矯正鋳型データと徒手的に採型した鋳型データを比較することで、徒手的採型の影響を明らかにする。また装具療法、手術療法が体表変形に及ぼす影響を定量的に評価する予定である。さらにこれらの解析を進めることで側弯症における体幹変形の進行危険因子を明らかにしていく。 将来的には現在の体幹評価系を携帯式の3Dスキャナーに応用し、評価システムの汎用性を高める。携帯式装置による体表評価法が確立できれば、一般外来においても容易に導入が可能であり、定期的な検査において時間的、機械的な制約が解除できるものと考える。
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