研究課題/領域番号 |
25861321
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
四宮 陸雄 広島大学, 大学病院, 病院助教 (80581454)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 放射線誘発性末梢神経障害 / 部分神経障害 / 端側縫合 / 神経移植 |
研究実績の概要 |
乳癌などの癌患者に放射線療法を行った場合,放射線に暴露された末梢神経の支配領域に痛み,しびれ,筋力低下を生じることが知られており,放射線誘発性末梢神経障害と呼ばれている.臨床症状から,この放射線誘発性末梢神経障害は神経の部分障害により生じるものと考えられているが,その機序は解明されておらず,治療に苦渋することが多い.本研究では,難治性である放射線誘発性末梢神経障害の動物モデルを確立し,作製された動物モデルを用いて,その発症機序の解明や治療法の開発を行うことを目的とする.昨年度はラット坐骨神経を用いて放射線誘発性末梢神経障害の動物モデルの作製を行い,90GyのX線をラット坐骨神経に照射後24週で部分神経障害モデルを確立できることが示された.さらに,X線照射された神経の周囲には瘢痕組織が多く形成されていたことから,障害された神経自体から瘢痕化を誘導する何らかの因子が放出されている可能性が示唆された.本年度は昨年度作製した放射線によるラット坐骨神経部分障害モデルを用いて,放射線誘発性末梢神経障害に対する端側縫合法を用いた神経移植の有用性について検討を行う予定であった.しかし,ラット坐骨神経への神経移植手技は顕微鏡下に特殊な器具を用い行う必要があり,安定した手技習得に長時間を要した.また,放射線照射後1年(48週)での歩行解析,電気生理学的評価,組織学的評価が必要なため,本年度中に予定されていた解析は行えていない. 今後,放射性照射後48週の時点で,歩行解析,電気生理学的評価,組織学的評価を行い,放射線誘発性末梢神経障害に対する新しい治療法である端側縫合法を用いた神経移植尾有用性を検討していく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ラット坐骨神経への神経移植手技は顕微鏡下に特殊な器具を用い行う必要があり,その手技習得に長時間を要した.また,X線照射後1年(48週)での歩行解析,電気生理学的評価,組織学的評価が必要なため,本年度中に予定されていた解析は行えなかった.
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今後の研究の推進方策 |
放射線照射後48週での歩行解析,電気生理学的・組織学的解析を待ち,放射線誘発性末梢神経障害に対する端側縫合法を用いた神経移植の有用性について,引き続き検討していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
出張が3月末から4月にまたがったため,出張旅費として平成26年度内には計上できなかったため
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次年度使用額の使用計画 |
旅費手続きが完了次第,平成27年度予算として予算執行される予定
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