テロメラーゼ阻害剤TMPyP4による骨肉腫細胞への抗腫瘍効果を検討した.テロメラーゼ活性を有する細胞では,活性抑制およびテロメア長の十分な短縮が細胞増殖抑制に関与していると考えた.活性のない長いテロメアを有する細胞に対して,TMPyP4はテロメア短縮作用を認めなかったが,有意な細胞増殖抑制を示したことより,テロメア長とは独立したDNA損傷作用を有すると考えた.本研究により,テロメア形態の異なる骨肉腫細胞株に対するTMPyP4単剤での抗腫瘍効果が証明され、TMPyP4などのテロメラーゼ阻害剤が,肉腫治療の新たなストラテジーとなる可能性が示唆された.
|