本研究で我々はTNFαが骨肉腫細胞株、AX細胞の腫瘍形成に必須であることを見出した。AX細胞はガン遺伝子であるc-MycをInk4a欠損マウス由来の間葉系細胞に導入し作製した細胞で、野生型マウスの腹腔内移植により約21日以内に腫瘍死をまねくモデルである。このモデルにおいて我々は、腫瘍周辺にマクロファージが浸潤し、TNFαを発現することを見出した。TNFα欠損マウスではAX細胞による腫瘍形成や腫瘍死が完全にキャンセルされた。我々はTNFαがAX細胞における骨芽細胞系分子の発現を抑制すること、この抑制はTNFα阻害剤あるいはERK阻害剤の投与によってキャンセルされることを見出した。
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