研究概要 |
従来、疼痛の評価には行動学的指標が用いられる(Hargreaves K, et al., Pain 1988/ Baquis G D, Muscle Nerve 1999/ Narita M, et al., J Neurosci 2005)。しかし、これらの手法は観測者の主観的要因を排除することが難しく、神経の異常な活動分布を捉えることはできない。そこで我々は疼痛を客観的に評価するため、functional MRIによるマウスの脳機能計測法を確立し、外科的処置による神経因性疼痛モデルの脳活動を明らかにしてきた。 本年度は、発症前後における活動領域のBOLD信号を定量化し、比較を行った。一次体性感覚野のBOLD信号は発症前後で有意な差が見られなかったが、前帯状回皮質、視床において有意な差が見られた(p<0.05 FWE corrected)。今後、有意差の見られた領域を対象としたより詳細な解析が必要となる。
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