研究実績の概要 |
本申請は、神経因性疼痛であるallodyniaを対象として機能的MRIを用い、客観的かつ定量的な評価を行い、病態メカニズムの解明、治療効果判定へ役立てることを目的としている。 26年度までに、allodyniaモデルとして確立された、外科的処置による脊髄神経部分切結紮モデルであるChungモデル (Kim SH and Chung JM. Pain 1992)、マウスモデルの利点である遺伝子改変技術を用いた先天性のallodyniaモデルであるMusashi2遺伝子欠損マウス(Nishimoto Y, Okano H. Cell Research 2010)の異常な脳活動の可視化に成功している。 27年度は、さらに慢性疼痛治療薬による介入を行い触覚様刺激時の機能的MRIを計測した。Allodyniaモデル(SNL)では前部帯状回皮質(ACC)、視床(未提示)において異常活動が見られるが、介入により脳内の異常活動が抑えられS1のみの活動へ戻ることを確認した。さらに、活動領域のBOLD信号の変化量用いて、定量的な評価系を確立した。 本申請により神経因性疼痛であるallodyniaの脳内活動の異常を可視化することができ、その治療効果を客観的かつ定量的に評価することが可能となった。
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