実験当初よりマウス筋芽細胞C2C12の培養系は安定して確立することができた。一昨年度はalpha7nAChRの刺激薬であるGTS21の投与により、筋肉分化の指標であるミオシン重鎖の増加を認め、分化促進作用が期待された。また、分化後の筋管径はコントロールと比較して増大しており、肥大作用も認めた。最終年度にはその作用機序を検討した。GTS21は他の細胞(神経細胞)ではAkt passwayを介して細胞保護作用を有することから、今回認められた分化促進、肥大作用にも同様のAkt passwayが関与すると仮定し、western blottingにてaktのリン酸化および、4EBP1、mTORなど筋肥大に関与するタンパクのリン酸化の有無について検討した。今年度の研究ではこれらのタンパクの発現、リン酸化に有意な変化を認めず、機序として他のpasswayが関与している可能性が示唆された。
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