研究課題/領域番号 |
25861353
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
丹羽 英智 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20374845)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 麻酔薬ケタミン / natural killer 細胞活性 |
研究概要 |
ヒトNatural killer細胞株(KAI3)を用いたnatural killer細胞傷害活性を測定する準備段階まで実験は終了した。まず、KAI3細胞の増殖の特徴を把握した。結果、この細胞のdoubling timeは約4日であることが分かった。さらに麻酔薬ケタミンのKAI3細胞への直接的影響の有無について調べた。結果、臨床使用濃度(100uM以下)では細胞の増殖、形態に影響がないことが判明した。次に、エフェクター細胞であるヒト慢性骨髄性白血病細胞株(K562)についても同様に、細胞の特徴を把握した。K562細胞は増殖速度がKAI3細胞に比べて速く、doubling timeは約24時間であった。KAI3細胞同様、臨床使用濃度のケタミンの添加により細胞の形態的変化は観察されなかった。 以上より、今後、細胞毒性検出キットであるBasic cytotoxicity kit(Immunochemistry Technologies,USA)を用いて具体的にKAI3細胞のK562細胞に対する細胞傷害活性を様々なケタミン濃度下で測定し、麻酔薬ケタミンのNK細胞傷害活性への影響をin vitroで明らかにする。このキットは放射性物質を用いないで細胞障害活性を測定できるため、安全に実験が行いやすい。また、この測定にはフローサイトメトリーが必要であるが、本機器の測定条件を含めたセットアップは終了している。本実験終了後、細胞傷害活性を別のアッセイ(INFやLDHなど)を用いて測定し、更なる結果の妥当性を確認する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
臨床麻酔の仕事及び学生教育に時間を取られがちであり、夜間および休日に実験を行うことが多かったため。今後は実験にできるだけ優先的に時間を割きたい。
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今後の研究の推進方策 |
当教室では日頃より臨床の現場でケタミンを使用していることから、このまま動物実験を行う時間がない場合は、in vitroの実験後、動物実験を省略し、臨床試験を行うことが必要かもしれない。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定より実験の進行が遅れており、学会発表をしていないため。 今後、海外発表を予定しており、その際に使用する。
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