リドカイン誘導体であるQX-314の、ラット脊髄後角ニューロンに対する作用を電気生理学的に調べた。脊髄横断スライスからのホールセル・パッチクランプ記録では、QX-314はNMDA起因性電流の振幅を減少させた。また神経根刺激によって生じる興奮性電流の振幅を減少させた。しかし、自発性興奮性シナプス後電流の頻度や振幅には影響を与えなかった。in vivo脊髄標本からの細胞外記録では、ラット脊髄表面へのQX-314の灌流投与は、痛み刺激によって誘発される活動電位の発生頻度を減少させた。以上のことから、QX-314は脊髄後角ニューロンの興奮性を低下させることで、鎮痛作用を発揮している可能性がある。
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