平成25年度の研究結果を踏まえ、アトロピンの投与量を0.03、0.1、0.3、1、3㎎/㎏とドーズを変えて検討した。観察時間は240分としたが、結果はいずれのドーズにおいてもアセチルコリンによる脳血管内皮機能は保たれていた。アトロピンはスコポラミンには劣るが血液脳関門を通過すると報告されている。よってアトロピンを投与すれば抗コリン作用から、脳血管内皮機能が障害されて、アセチルコリンによる血管拡張作用が障害されると、仮説を立てて実験を行ったが、仮説は否定される結果に終わった。アトロピンの脳に与える影響は我々のもつcranial window法では評価できないことは事実であるが、他のアプローチ法ならば可能なのかもしれない。
|