全身麻酔の合併症の一つである悪性高熱症は、稀な疾患だが一旦発症すると致死率の高い病態である。1型リアノジン受容体の機能異常が原因とされ、これまでに約30の遺伝子変異が原因遺伝子として認定されている。 本研究では、原因遺伝子に加えて一塩基多型が1型リアノジン受容体の機能にどのような影響を与えているかを人工的に変異遺伝子を導入した1型リアノジン受容体を作成し、実験的に調査した。一塩基多型単独では受容体機能は変化しなかったが、悪性高熱症の原因とされる遺伝子変異と一塩基多型の両方の変異が存在した場合、悪性高熱症の原因遺伝子単独の場合と比較して、やや受容体機能が亢進している結果となった。
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