気管支喘息モデルのラットを作成し、その気道リモデリングを抑制することを目的に実験を行った。まず、予備実験によりオブアルブミン感作後の経鼻的オブアルブミン投与による気管支喘息発作誘発を繰り返したラットで肺胞内の杯細胞の増加、気管支壁の肥厚などのリモデリングが起きていることを確認した。 上記の手法により気管支喘息モデルを作成し、セボフルラン吸入による気道リモデリングを抑制する実験に移った。 48時間おきの喘息発作誘発後にクロロホルムにより麻酔を行い、麻酔箱内でセボフルラン吸入を行った群と酸素吸入を行った群とに分けて2週間実験を行った。 2週間の実験ののちに麻酔下に気管、肺を摘出し、肺の病理標本作成及び、気管収縮力の変化を確認する気管収縮実験を行った。また、本実験後にオブアルブミンによる気管収縮によりオブアルブミンへの感作が完成しているかの確認も行った。セボフルラン吸入群では組織学的な検討では杯細胞増加の抑制や気管壁肥厚の抑制といった気道リモデリングが抑制されたとみなされる個体が認められた。しかしながら、一方で酸素吸入群と同様に気道リモデリングが形成されている個体も認められた。 本実験期間の後半は実験精度を高めるための手法の改善に努めた。 リモデリングが抑制されている個体でもオブアルブミンの感作が完成していることは確認されているため、制度の向上により気道リモデリングの機序や喘息患者での治療の一助となるような結果が得られる可能性があると考えられる。現在も手法を模索している段階であり、今後も実験を継続していく予定としている。
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