研究課題/領域番号 |
25861386
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
高橋 和伸 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (40530605)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | スガマデクス / 敗血症 |
研究概要 |
本研究で課題としている問題点は,スガマデクスによる筋力回復後の筋弛緩作用の再発現(再クラーレ化)であり,主目的は敗血症において生じる神経筋接合部における伝達能増強がスガマデクスの作用性を減弱させる機序の解明,安全性の観点から有効な筋弛緩拮抗薬の使用方法の確立,スガマデクス投与後の筋弛緩からの回復状態の最適な評価方法の解明により,その適切かつ安全な使用方法・治療方法を確立することである. 平成25年度は敗血症病態におけるスガマデクスの作用性減弱の機序の解明を目的とし,ラットの急性期重症敗血症モデルを作製し,呼吸筋の中で最も重要な横隔膜標本を横隔神経とともに摘出し,sepsis 群(9 時間後)、sepsis 群(18 時間後)およびsham 群で,クレブス液を満たしたチャンバー内で最大上刺激で横隔神経を刺激し、得られた筋収縮力をコンピュータ解析し,この際にスガマデクスを加算投与して容量-収縮力曲線を求め、投与量、投与時間・間隔などを詳細に検討し,敗血症により減弱するスガマデクスの作用性を制御するための有効な治療法を確立することを目的とした.結果はおおむね順調に得られており,敗血症のstageとスガマデクスの作用性変化の関係が判明しており,これは,敗血症病態におけるスガマデクスの最適な投与方法と筋弛緩からの回復を評価する上で重要な基礎データとなる.一方で,スガマデクスの作用性を減弱させる機序の解明において電気生理学的実験に時間を要しており,今だ途中段階にある.このため,敗血症によるスガマデクスの作用性を減弱させる機序の解明に迫る結論はいまだ検討途中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
スガマデクスの作用性を減弱させる機序の解明において電気生理学的実験に時間を要している.実験モデルの作成,実験系の確立は完成していることから今後,速やかに当初予定の実験計画が遂行されると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度研究目的は敗血症病態における安全性の観点から有効な筋弛緩拮抗薬の使用方法を検討することである.これには,平成25年度の研究目的である敗血症病態におけるスガマデクスの作用性減弱の機序の解明の結果が有用であるが,収縮生理学的実験で敗血症のstageとスガマデクスの作用性変化の関係が判明しており,この結果をもとに平成25年度で未達成な項目も含めて,並行して実施していく予定である.
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