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2015 年度 実施状況報告書

幼若脳へ対するブメタニドと麻酔薬の作用に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 25861389
研究機関横浜市立大学

研究代表者

刈谷 隆之  横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (90614404)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード麻酔薬 / NKCC1
研究実績の概要

生後7日齢,28日齢のSDラットを使用。ブメタニド10μmol/kg腹腔内投与する群と生理食塩水を投与する群の二群に分け,その1時間後にプロポフォール50mg/kg腹腔内投与し,その30分後にrighting reflex latencyを測定した。生後7日齢においては,生理食塩水+プロポフォール投与群VSブメタニド+プロポフォール投与群で,26.5±22.8秒VS52.6±8.0秒(P=0.031)で有意差を認めた。一方,生後28日齢においては,生理食塩水+プロポフォール投与群VSブメタニド+プロポフォール投与群で,52.7±19.2秒VS53.7±12.4秒で有意差を認めなかった。生理食塩水+プロポフォール投与群で生後7日齢と生後28日齢のageの違いでのプロポフォール自体の鎮静作用の比較を行ったところ,P=0.057で統計学的有意差は認めなかったが,幼若ラットでの鎮静作用の減弱の傾向を認めた。この結果はおおむね論文2と一致しており,幼若脳においては細胞内Clイオン濃度が成熟脳より高い部位が存在するためため,GABAA受容体刺激により,その部位における脱分極を介した興奮正反応が生じるため鎮静作用が減弱していると考えられた正向反射(righting reflex latency)の行動実験から,幼若ラットにおいてプロポフォールの鎮静作用は成熟ラットに比較して減弱していることが示された。これは,幼若脳にNKCC1の発現が成熟脳と比較して高いため細胞内Clイオン濃度が高い部位が存在することを示唆される。続いて、脳スライスの免疫染色(pCREB)を行い,pCREB陽性細胞を脳の部位によってカウントし統計学的な比較検討を行う。組織学的検討でも、プロポフォールによるpCREBの増加が、ブメタニドで抑制される結果となり、現在論文投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

無事論文化のデータをすべてとり終えた。

今後の研究の推進方策

NKCC1の機能に着目して研究を行ってきたが、今後はKCC2の機能に着目した研究を行っていきたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

現在初回論文投稿中であり、リバイス実験のための費用を確保するとともに、追加でカルシウムイメージングを行い、本研究のエビデンスを固めている。

次年度使用額の使用計画

ラットの購入費用、カルシウムイメージング試薬費用

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公開日: 2017-01-06  

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