プロリルヒドロキシラーゼ(PHD)阻害剤であるジメチルオキサリルグリシン(DMOG)によるHIF-1の活性化が肺胞上皮細胞のFasL誘導性アポトーシス与える影響を検討した.DMOGはFasLによるMLE12細胞のアポトーシスを抑制した.HIF-1のDNA結合阻害剤であるエキノマイシン,もしくはsiRNAによるHIF-1経路の阻害はDMOGの抗アポトーシス効果を消失させた.FasLを気管内投与した動物においてもDMOG投与が肺胞上皮細胞のアポトーシスを減少させ,肺胞バリアーの破綻,組織学的変化を抑制した.PHD阻害はFasL誘導性アポトーシスを抑制し,肺傷害を軽減する可能性が示された.
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