がん性腹膜炎に伴うがん性腹水はがん患者の難治性の腹部膨満感をまねくため、腹水貯留量を軽減させることは症状緩和にとって極めて重要である。しかし、腹水生成のメカニズムについて不明な点が多いため、腹水貯留を軽減させることは困難を極める。本研究では、水分子を通すチャネルとして1993年に発見されたアクアポリンチャネルががん性腹水の発生ならびに進展に関与するという仮説を立てて研究を進めていった。 がん性腹膜炎を高頻度に惹起するヒト由来胃がん細胞株 85As2細胞をマウス腹腔内に投与することによって、著明ながん性腹水貯留を認めたが、アクアポリンチャネルと腹水の直接の関与は証明できなかった。
|