研究課題/領域番号 |
25861405
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
鈴木 裕一朗 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (50647344)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 糖転移酵素 / 分子標的 / siRNA / モノクローナル抗体 |
研究概要 |
本年度は、膀胱癌細胞移植マウスにC2GnT siRNAを投与し、その抗腫瘍効果を検討した。 C57BL/6マウスの背部に膀胱癌細胞株MBT-2を移植し腫瘍の生育を確認した。7日後に腫瘍系を測定し、siC2GnTを腫瘍部位に直接注射することで遺伝子導入を試みた。遺伝子導入は14日後、21日後にも行い計3回投与を行った。しかしながら、siRNA投与によりコントロール群およびsiC2GnT群の両群において組織での腫瘍抑制効果は見られず、原因を探ったところ、C2GnT遺伝子のノックダウンができていないことがわかった。 in vitroの実験系においては、C2GnT遺伝子のノックダウンを確認できていることから、生体内における遺伝子導入方法に問題があったものと推測された。主にカチオン系脂質を遺伝子導入試薬として用いてきたが、動物体内での遺伝子導入効率が悪いようであり、現在改変型ウィルス粒子やアテロコラーゲンを用いた直接導入法を試している。 さらに、投与経路による遺伝子導入効率の低下も考えられることから、腫瘍内直接導入だけでなく、リポソームを用いたドラッグデリバリーも検討している。siRNA濃度の検討など詰めるべき課題がわかり、来年度からの研究に生かしていきたい。さらにsiRNAの安定性は低く、導入が厳しい場合も考慮し、現在shRNAベクターの構築を行いプラスミドの導入による腫瘍抑制効果を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
投与方法の最適化がまだ完了しておらず、研究はやや遅れているが、膀胱癌モデルマウスの作製は完了しており、投与方法が決定すれば、予定している研究は遂行可能であると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、投与方法の最適化を早急に進める。現在、センダイウィルスをベースにした遺伝子導入試薬も検討しており、より遺伝子導入効率の良い投与方法を確立する。 来年度に予定していた、抗体の性能チェックは、予定通りに行う。
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