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2014 年度 実施状況報告書

糖転移酵素を分子標的とする膀胱癌治療法の実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25861405
研究機関弘前大学

研究代表者

鈴木 裕一朗  弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (50647344)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード糖鎖生物学 / 糖鎖合成阻害
研究実績の概要

前年度から検討してきたsiRNAの生体内導入実験では良好な結果が得られなかったことから、本年度は糖鎖修飾阻害剤を投与することにより癌細胞にどのような変化を及ぼすかマウス癌細胞移植モデルを用い検討した。
癌細胞をマウスの腰背部に移植した日を0日として、-1、2、4、8日に糖鎖合成阻害剤bensyl-alpha-GalNAcを腹腔内より投与した。0、2、4、8、12日で腫瘍サイズをノギスを用いて測定し経時的に腫瘍サイズの変化をモニターした。さらに、12日の時点でマウスより腫瘍を摘出し、腫瘍重量の測定も行った。その結果、糖転移酵素阻害剤投与により、当初予定では癌細胞増殖が抑制されると考えていたが、癌細胞増殖が亢進するという逆の結果が得られた。
今回の検討は、糖鎖合成阻害剤を全身性に投与しているため、癌細胞に薬剤が到達する前に他の細胞により消費されているのではと予想した。特に血液中のリンパ球などに作用し糖鎖合成が阻害されリンパ球の活性化に影響を及ぼしている可能性も考えられた。現在、リンパ球、特にナチュラルキラー細胞にに対する糖鎖合成阻害剤による影響を検討中である。さらに、癌細胞にできるだけ選択的に糖鎖合成阻害剤を作用させるためコラーゲンに本薬剤をしみこませ、移植した癌細胞の直下に注入する方法も検討している。リンパ球への影響と癌細胞に対する効果の詳しいメカニズムが解明できれば、糖鎖を標的とした抗腫瘍剤の有用性が明らかになるものと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初予定していたsiRNAの生体内導入による検討が期待した効果が得られず、阻害剤の投与に方法を変更したため。阻害剤投与による検討では、予想と逆の結果が得られたことから、今後さらに検討する必要があり、予定より遅れていると考えている。

今後の研究の推進方策

siRNA導入による検討では期待した効果が得られなかったことから、糖鎖阻害剤による検討に研究の方向性をシフトした。阻害剤による検討では、予想と逆の結果が得られていることより、癌細胞に対して直接的に作用していないものと予想された。そこで、薬剤を直接的に投与するために、リポソームへの封入、コラーゲンとの合剤による癌の近傍への導入を行いさらに検討する。

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公開日: 2016-06-01  

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