研究課題/領域番号 |
25861414
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
大竹 裕子 山梨大学, 医学部附属病院, 医員 (80631449)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 間質性膀胱炎 |
研究概要 |
1.まずH.25年度は、ヒト膀胱上皮サンプルを用いて、正常群と間質性膀胱炎患者群におけるTRPチャネルの発現量の測定を現在行っている。TRPC1~6、TRPV4、また伸展刺激活性化チャネルであるPiezo1、ATP開口放出を担うVNUTなどを測定している。正常群においては十分なサンプル数があり、測定はほぼ終了しているが、現時点では間質性膀胱炎患者サンプル数が少なく、明確な有意差は見られていないが、現在更なるサンプル採取を行っており、再度検定予定である。 2.実験動物(マウス)における間質性膀胱炎モデルの作成。現在、間質性膀胱炎モデルマウスとしてcyclophosphamid誘発性ICモデルを作成している。このcyclophosphamid誘発性ICモデルにおける排尿行動をマウス排尿代謝ケージを用いて解析中である。またこのモデルマウスの膀胱上皮細胞を採取し、RT-PCR用サンプル、免疫染色用サンプルを採取している。これらの解析を今後行う予定である。 3.またcyclophosphamid誘発性ICモデルにおける排尿行動が、TRPC1/TRPC6の阻害薬であるGsMTX4の投与によってどのように変化するか解析するため、予備実験として正常マウスにこのGsMTX4を投与したときの排尿行動変化を測定している。正常マウスに投与した場合、1回排尿量の増加、排尿間隔の延長を示すことが分かった。そのため、cyclophosphamidにより誘発された著しい頻尿行動は、劇的に改善するのではないかと想定しており、今後検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前記したように、ヒト膀胱上皮サンプルを用いた実験ではデータ解析を行うために必要な間質性膀胱炎患者サンプル数が少なく、現在更なるサンプル採取を行っている点が挙げられる。またマウスを用いたcyclophosphamid誘発性ICモデルの作成であるが、cyclophosphamidを腹腔内投与した際に副作用が強く、有効な排尿代謝ケージのデータ採取が難しい点が挙げられる。(膀胱上皮における組織学的な変化は確認できるが、マウスの飲水量の減少や活動性の低下がみられ、良質なデータ採取が難しい。)
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今後の研究の推進方策 |
マウスを用いたcyclophosphamid誘発性ICモデルの作成においては至適投与量、至適投与のタイミングなど条件検討はほぼ確立できたので、今後はサンプル数の増加、実験の推進が見込める。またマウスの飲水量や活動性に影響を受けない実験方法としてfree movingでのマウス膀胱内圧測定方法を検討している。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度の研究においては、実験の条件検討が中心となったため、十分なN数を実験出来ていない。そのため次年度使用額が生じてしまった。また、排尿代謝ケージ実験の進行状況が芳しくないため、今後free movingでのマウス膀胱内圧測定実験の必要性に迫られており、次年度にこれらの購入が必要となる可能性を考慮し、次年度使用額が生じた。 マウス排尿代謝ケージ実験試行回数増加による支出の増加が見込まれるため、マウスの購入、排尿代謝ケージ備品の修理、購入に使用予定。またfree movingマウス膀胱内圧測定実験装置を購入予定。
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