前立腺癌間質における線維芽細胞の増生は去勢マウス前立腺に生じる間質リモデリングに類似しており、去勢療法中の前立腺癌が去勢抵抗性を獲得するメカニズムの1つと考えている。我々の検討によりマウスを去勢すると前立腺は臓器としては萎縮する方向へ向かっているように見えるものの、実際に萎縮するのは腺上皮細胞と平滑筋細胞であり、間質リモデリングの誘導に伴い線維芽細胞が増加し、複数の細胞増殖因子の発現上昇が起こり、結果的に基底上皮細胞数が有意に増加することを見出した。このようなアンドロゲン環境に依存した前立腺の構造変化を解明することは間質をターゲットとする去勢抵抗性前立腺癌の新規治療戦略を考える上で重要となる。
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