研究実績の概要 |
これまでの研究で膀胱癌細胞株(RT4、5637、T24)に長波長紫外線UVA-1を照射するとアポトーシスを誘導することがFACSの結果より明らかになった。また長波長紫外線照射後のアポトーシス誘導機構について、1)Phospho-Ser1981 ATM2)、以下すべてCell signaling 2) Chk2, 3) Phospho-Chk2 (Thr68), 4)Chk1, 5) Phospho-Chk1 (Ser345), 6) Phospho-Chk1 (Ser317),7)ATRの抗体を用いウエスタンブロットに解析したところ、UVCにおけるDNA1本鎖切断とは異なる経路でのアポトーシス誘導が示唆された。詳細なシグナル伝達機構に関しては、本研究期間で完全に解明するにはいたらなかった。さらに今年度は、in vitroで効果があきらかであった長波長紫外線の膀胱癌に対する治療効果について、膀胱癌皮下移植モデルを用い実験をおこなった。しかし、過去の論文にある方法ではヌードマウスに膀胱癌細胞を効率よく移植することは不可能であった。よって紫外線照射により腫瘍の縮小の可能性はあるものの、皮下移植した膀胱癌細胞がきちんと生着していない可能性もあるため、正当な評価が困難であった。in vivoの実験系にうつるため、今後は皮下移植モデル以外の方法をとり、長波長紫外線の効果について研究をすすめる。
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