研究課題
前立腺癌治療において最も重要な解決すべき課題は、転移性前立腺癌、特に去勢抵抗性前立腺癌であり、これが前立腺癌死の大部分を占めている。しかし、ドセタキセルの治療効果を予測することは困難であり、かつ前立腺癌における診断・治療効果判定において極めて有用であるPSA(前立腺特異抗原)が去勢抵抗性前立腺癌の30%程度で、PSA値と関連なく病勢進行を呈することがあるため、去勢抵抗性前立腺癌の治療・予後予測方法の確立は喫緊の課題である。今回の検討で、患者尿検体による前立腺癌検出を目的とした光力学的診断は、去勢抵抗性前立腺癌の診断に応用可能であり、去勢抵抗性前立腺癌患者においても尿中剝離細胞中にプロトポルフィリンIX(PpIX)陽性細胞の検出、ならびに分光光度計を用いた蛍光強度の定量化が可能となった。さらに、手術・放射線治療などの根治的治療で予後不良因子とされるPTEN遺伝子の欠失を、FISH法を用いて、去勢抵抗性前立腺癌患者の尿検体で評価可能となった。PTEN遺伝子の欠失は約40%の患者尿検体で認められた。ただ検討できた症例数は少数であったため、PTEN遺伝子の欠失と予後・治療効果の関連性については、今後の更なる検討が必要である。
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