今後の研究の推進方策 |
①in vivo(マウス膀胱癌同所性モデル)でのNVP-BEZ235の抗腫瘍効果の検討(最適な投与量の決定):NVP-BEZ235の膀胱内注入は、腫瘍移植後第5日目(day 5)より3日毎に計5回施行。コントロール群とNVP-BEZ235投与群の2群に分け、腫瘍生着率を比較検討する。コントロール群15匹、NVP-BEZ235投与群15匹の計30匹で比較検討を行う。NVP-BEZ235 1μM, 10μMでは抗腫瘍効果が確認できなかったが、副作用も認めなかったため、さらなる高容量で検討を行う。 ②膀胱癌肺転移モデルにおけるPI3K・mTORC1/2阻害の治療効果検証:MBT-2 variant細胞を用いて、C3H/Heマウスの膀胱腫瘍肺転移モデルを作成する。マウスをcontrol群、肺転移観察群、NVP-BEZ235前投与群、NVP-BEZ235後投与群の4群にわける予定である。またNVP-BEZ235の量、投与法(経口投与、腹腔内投与)、投与期間に関しても検討を行う。次に抗転移効果の検討を行う。また摘出した肺の転移巣より蛋白を抽出する。ウエスタンブロット、免疫染色を行いそれぞれの腫瘍におけるpAKT,pS6,p4EBP1の発現を検討し、in vitroの結果との相同性を確認する。さらにコントロール群と治療群において生存率を解析する。 ③抗癌剤耐性制御におけるPI3K-Akt-mTOR pathwayの役割の解明および抗癌剤とPI3K・mTORC1/2阻害の併用による治療効果の検証:CDDP、MMC、Gemcitabineなどの抗癌剤使用時のPI3K-Akt-mTOR pathwayのシグナル伝達を検討する。また、当教室で既に樹立されているCDDP、MMC、Gemcitabine耐性膀胱癌細胞株を用いて抗癌剤耐性獲得下におけるPI3K-Akt-mTOR pathwayの活性化の変化を追跡する。さらにこれらの検証をin vivoにおいても行う。各種膀胱癌細胞株、抗癌剤耐性膀胱癌細胞株を用いて、抗癌剤とNVP-BEZ235の併用による抗腫瘍効果をin vitro、in vivo(皮下腫瘍モデル、正所性モデル、肺転移モデル)において検討する。
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