上部尿路上皮癌に対し手術が行われた症例の検体を対象としCD44vの免疫染色を行った結果、CD44v陽性が独立した術後の予後因子であっ た。CD44vの発現を有する尿路上皮癌細胞株T24は糖尿病治療薬メトホルミン投与に伴うcell viabilityの有意な減少を認めた。メ トホルミンとCDDPの併用によるT24に対する殺細胞効果は単剤と比較し、有意に大きかった。フローサイトメ トリーにおいてCD44v陽性細胞の割合がメトホルミン併用に伴い低下した。T24皮下腫瘍モデルを用いてメトホルミン、CDDPとそれらの併用による抗腫瘍効果を確認した結果、腫瘍径が併用群では有意な腫瘍増大の抑制を認めた。
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