研究課題
当院倫理委員会承認のもと患者から同意の得られた卵巣癌臨床検体150例(うち明細胞腺癌70例)を用い、Genomic DNA、RNAを抽出し、以下の解析を行った。まず、ゲノムワイドな染色体コピー数異常(増幅・欠失を含む)についてSNPタイピングアレイを用いて解析した。これにより関連遺伝子の増幅・欠失の有無が明らかとなり、組織型毎の染色体コピー数異常の意義を検討した。次に臨床検体mRNAを用いて、Affymetrix発現マイクロアレイによりmRNAレベルの遺伝子発現量を比較解析し、その結果を用いた階層的クラスタリングにより遺伝子発現の特徴による分類を行った。さらに明細胞腺癌のみを対象として新たなサブクラスターに分類し、卵巣明細胞腺癌における予後との相関について解明するため、卵巣明細胞腺癌との関連が報告されているARID1Aの免疫染色やPIK3CAの遺伝子変異の有無についても解析を行った。そして、それらの結果から得られた明細胞腺癌の予後に関わるサブクラスターで特徴的な遺伝子に関してReal time PCR等の解析を行い、卵巣明細胞腺癌に特徴的な治療薬の確立とそのバイオマーカーの同定に向けて基礎的な研究成果を論文に発表した。現在、明細胞腺癌のサブクラスターに特徴的な経路を標的とした治療薬の抗腫瘍効果についても市販購入可能な標的経路阻害剤を用いて卵巣明細胞腺癌細胞株への抗腫瘍効果を検討中である。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)
東京産科婦人科学会会誌
巻: 65巻1号 ページ: 32-36
PLoS One.
巻: 10(6) ページ: e0128066.
doi: 10.1371/journal.pone.0128066
Gynecol Oncol.
巻: 138(2) ページ: 323-331
doi: 10.1016/j.ygyno.
巻: 138(1) ページ: 174-180