早産の主要因に子宮内感染に基づく絨毛膜羊膜炎があるが、従来の細菌培養法は、検査に時間を要するという問題があった。また種々の炎症性疾患で腸内細菌叢の変化が指摘されているが、早産については検討されていない。 独自開発したTaq polymeraseを用い、子宮内病原微生物の迅速高感度検出法を構築した。従来法の約4倍の検出率で、検出時間は6日間から平均6時間に大幅に短縮した。切迫早産でウレアプラズマ、マイコプラズマ、細菌混合陽性例では、陰性例に比し有意に分娩週数が早く、子宮内炎症が高度で周産期予後不良だった。また、腸内細菌叢のクリストリジウム属が早産例で正常例より減少することがわかった。
|