妊娠初期絨毛から分離培養したEVTとEVTのモデルである絨毛癌細胞株JAR細胞を用いてLCN2の機能解析を行った。組み替えLCN2 (rLCN2)添加は増殖能を変化させなかったが、浸潤能(マトリゲル浸潤アッセイ)とMMP-9活性(ゼラチンザイモグラフィー)は共に用量依存的に増強した。両細胞とも低酸素ほどLCN2 mRNA発現、MMP-9活性は増加し、浸潤能も亢進した。2%酸素下で亢進した浸潤能はLCN2発現抑制で著明に抑制されたが、rLCN2添加で回復した。LCN2は妊娠初期にEVT浸潤調節に関わる可能性が示された。
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