研究課題
若手研究(B)
① 網羅的蛋白質発現解析により同定された子宮平滑筋肉腫において特異的に発現している候補蛋白質の臨床検体および細胞株における発現膜蛋白質を解析するiTRAQ法による網羅的解析にて、子宮平滑筋肉腫に特異的に発現する蛋白質候補として、蛋白質Aと蛋白質Bを同定した。このうち蛋白質Aは、子宮平滑筋肉腫細胞株3株のうち、1株で発現を認めた。臨床検体における評価では18例の検体のうち、12例(66.7%)と発現を認めていた。② 蛋白質Aの発現の子宮肉腫における役割の検討蛋白質Aを発現する子宮平滑筋肉腫細胞SK-LMSにおいて、蛋白質Aの発現をsiRNAを用いて抑制したところ、増殖速度が有意に減少した(p<0.05)。これらのことから、子宮平滑筋肉腫において特異的に発現する蛋白質Aが、子宮平滑筋肉腫の増殖において重要であることが示唆された。③ 蛋白質Aが子宮平滑筋肉腫細胞において増殖にどの様に働いているか子宮平滑筋肉腫細胞株であるSK-LMSに対してsiRNAを用い蛋白質Aの発現を抑制した上で、アポトーシス関連蛋白であるCaspase3を評価したところ上昇を認めず、増殖の抑制はアポトーシスが誘導されたためでないことがわかった。
2: おおむね順調に進展している
25年度計画はほぼ終了している。細胞接着・細胞間相互作用・細胞移動について評価を行っていないのは、蛋白質Aの抑制が非常に効果的に増殖抑制を示しており、こちらの機序解明を優先させるべきと考えられたためである。
蛋白質Aの子宮平滑筋肉腫の増殖に関わるメカニズムの解析(1) 蛋白質AのSKNもしくはSK-UT1細胞株において強制発現による増殖の変化(2) 蛋白質Aの強制発現による蛋白質の発現の変化(3)子宮平滑筋肉腫における蛋白質Aの役割の検討(4)蛋白質Aと増殖に関わるpathway解析(5) 蛋白質Aに対する中和抗体の作成蛋白質Aの発現抑制による子宮平滑筋肉腫の増殖抑制は既に証明できたが、逆に、蛋白質Aの強制発現による子宮平滑筋肉腫細胞の増殖の変化を検証する。またこれに伴うpathwayの変化等も解析する。最後に、マウスを用いて、蛋白質Aに対する中和抗体の作成を試みる。中和抗体を作成できた場合、それを用いてマウスにおける子宮平滑筋肉腫細胞の増殖を抑制できるかを検討する。
蛋白質Aの子宮平滑筋肉腫の増殖に関わるメカニズムの解析、マウスを用いた蛋白質Aに対する中和抗体の作成の為、物品購入を控えた。蛋白質Aの子宮平滑筋肉腫の増殖に関わるメカニズムの解析、マウスを用いた蛋白質Aに対する中和抗体の作成の為、必要物品の購入を予定している。
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