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2013 年度 実施状況報告書

iTRAQ法による網羅的膜蛋白質の解析を用いた子宮平滑筋肉腫の新しい治療法の樹立

研究課題

研究課題/領域番号 25861491
研究種目

若手研究(B)

研究機関大阪大学

研究代表者

松崎 慎哉  大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (00467565)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード婦人科腫瘍
研究概要

① 網羅的蛋白質発現解析により同定された子宮平滑筋肉腫において特異的に発現している候補蛋白質の臨床検体および細胞株における発現膜蛋白質を解析するiTRAQ法による網羅的解析にて、子宮平滑筋肉腫に特異的に発現する蛋白質候補として、蛋白質Aと蛋白質Bを同定した。このうち蛋白質Aは、子宮平滑筋肉腫細胞株3株のうち、1株で発現を認めた。臨床検体における評価では18例の検体のうち、12例(66.7%)と発現を認めていた。
② 蛋白質Aの発現の子宮肉腫における役割の検討
蛋白質Aを発現する子宮平滑筋肉腫細胞SK-LMSにおいて、蛋白質Aの発現をsiRNAを用いて抑制したところ、増殖速度が有意に減少した(p<0.05)。これらのことから、子宮平滑筋肉腫において特異的に発現する蛋白質Aが、子宮平滑筋肉腫の増殖において重要であることが示唆された。
③ 蛋白質Aが子宮平滑筋肉腫細胞において増殖にどの様に働いているか
子宮平滑筋肉腫細胞株であるSK-LMSに対してsiRNAを用い蛋白質Aの発現を抑制した上で、アポトーシス関連蛋白であるCaspase3を評価したところ上昇を認めず、増殖の抑制はアポトーシスが誘導されたためでないことがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

25年度計画はほぼ終了している。細胞接着・細胞間相互作用・細胞移動について評価を行っていないのは、蛋白質Aの抑制が非常に効果的に増殖抑制を示しており、こちらの機序解明を優先させるべきと考えられたためである。

今後の研究の推進方策

蛋白質Aの子宮平滑筋肉腫の増殖に関わるメカニズムの解析
(1) 蛋白質AのSKNもしくはSK-UT1細胞株において強制発現による増殖の変化(2) 蛋白質Aの強制発現による蛋白質の発現の変化(3)子宮平滑筋肉腫における蛋白質Aの役割の検討(4)蛋白質Aと増殖に関わるpathway解析(5) 蛋白質Aに対する中和抗体の作成
蛋白質Aの発現抑制による子宮平滑筋肉腫の増殖抑制は既に証明できたが、逆に、蛋白質Aの強制発現による子宮平滑筋肉腫細胞の増殖の変化を検証する。またこれに伴うpathwayの変化等も解析する。
最後に、マウスを用いて、蛋白質Aに対する中和抗体の作成を試みる。
中和抗体を作成できた場合、それを用いてマウスにおける子宮平滑筋肉腫細胞の増殖を抑制できるかを検討する。

次年度の研究費の使用計画

蛋白質Aの子宮平滑筋肉腫の増殖に関わるメカニズムの解析、マウスを用いた蛋白質Aに対する中和抗体の作成の為、物品購入を控えた。
蛋白質Aの子宮平滑筋肉腫の増殖に関わるメカニズムの解析、マウスを用いた蛋白質Aに対する中和抗体の作成の為、必要物品の購入を予定している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Annexin A4-conferred platinum resistance is mediated by the copper transporter ATP7A2014

    • 著者名/発表者名
      Matsuzaki, S. Enomoto, T. Serada, S. Yoshino, K. Nagamori, S. Morimoto, A. Yokoyama, T. Kim A. Kimura, T. Ueda, Y. Fujita, M. Fujimoto, M. Kanai, Y. Kimura, T. Naka, T.
    • 雑誌名

      Int J Cancer

      巻: 134(8) ページ: 1796-809

    • DOI

      10.1002/ijc.28526

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Annexin A4 is a promising therapeutic target for the treatment of platinum-resistant cancers2014

    • 著者名/発表者名
      Matsuzaki, S. Serada, S. Morimoto, A. Ueda, Y. Yoshino, K. Kimura, T. Naka, T.
    • 雑誌名

      Expert Opin Ther Tar

      巻: 18(4) ページ: 403-14

    • DOI

      10.1517/14728222.2014.882323

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Annexin A4はプラチナトランスポーターとして知られるATP7Aを介して プラチナ耐性獲得に関与する2013

    • 著者名/発表者名
      松崎慎哉 中川慧 平松宏祐 清原裕美子 森本晶子 小林栄仁 木村敏啓 上田豊 吉野潔 藤田征巳 榎本隆之 仲哲治 木村正
    • 学会等名
      第12回日本婦人科がん分子標的研究会学術集会
    • 発表場所
      奈良
    • 年月日
      20130705-20130706
  • [学会発表] Annexin A4の発現は銅のトランスポーターでありプラチナの排出に関与すると知られるATP7Aを介して,耐性獲得に関与する2013

    • 著者名/発表者名
      松崎慎哉 森本晶子 横山拓平 小林栄仁 木村敏啓 上田豊 吉野潔 藤田征巳 榎本隆之 木村正 仲哲治
    • 学会等名
      第65回日本産科婦人科学会学術講演会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20130510-20130513

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公開日: 2015-05-28  

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