研究課題
子宮頸癌発症の分子メカニズムの解明は、子宮頸癌の予防法、健診システムの確立、さらには新規治療法の開発につながる。その為には、HPV感染の疫学調査に基づくウイルス側要因と宿主側要因の双方からの総合アプローチが必要であると考えられる。本研究では、子宮頸癌発症の分子メカニズムの全容解明を目指して、(1)長崎県におけるHPV感染の疫学調査、(2)ウイルス側要因として発癌性HPVウイルスのDNA型判定や定量化の臨床的意義、(3)子宮頸癌と関連する宿主(ヒト)側要因の同定についてゲノム解析技術を用いてアプローチを行った。(1)本邦における子宮頸癌予防と健診システムを考慮する際にはH1PV16型/HPV52型の臨床的意義を解明することが重要であるという結果が得られた。(2)ウイルス側要因として、頸管擦過細胞中のHPV16型/HPV52型DNA型判定やウイルス量の判定が子宮頸部細胞診の推移を推定する分子マーカーとして有用である件を示した。(3)宿主側要因の新知見として、子宮頸癌とDEFB4コピー数多型との関連を見いだし、いずれも子宮頸癌の発症の診断・予防に有用であると考えられた。本研究は今後、次世代シークエンス法を用いたexsome解析およびメチル化アレイ解析を行うことで、より詳細な子宮頸癌発症に関与する宿主側要因の同定に連なることが期待される。
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