葉酸受容体アルファ(FRA)は、細胞膜表面に存在する糖タンパクである。FRAは卵巣癌を含む上皮性悪性腫瘍で高発現しているが正常組織ではほとんど発現が見られない。血清中FRAと組織発現を解析し、卵巣癌バイオマーカーとして有用であるかどうか検討した。血清FRAは卵巣癌患者で上昇しており、良性、境界悪性腫瘍、および転移性卵巣腫瘍の患者では上昇が見られなかった。血清FRAは臨床進行期、組織型などと関連があり、CA125よりも検出力は高かった。また血清FRAは組織発現とも密接に関連が見られたため、将来のFRAをターゲットとした治療の非侵襲的なバイオマーカーとなりうることが示唆された。
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