• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

難治性メニエール病めまい発作に対する新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25861522
研究種目

若手研究(B)

研究機関東北大学

研究代表者

宮崎 浩充  東北大学, 大学病院, 助教 (70431575)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードメニエール病 / めまい発作 / 経鼓膜換気チューブ留置
研究概要

メニエール病は激しい回転性めまい発作を反復し、徐々に難聴が進行する難治性疾患であり、反復するめまい発作により、患者のQOLは著しく低下する。保存的治療でめまい発作の制御が難しい場合には、ゲンタマイシン鼓室内投与による化学的前庭破壊術や、内リンパ嚢開放術、前庭神経切断術などの侵襲的治療が選択される。しかし近年、この難治性めまい発作の制御について、簡便かつ低侵襲な経鼓膜換気チューブ留置の有効性が注目され、2011年メニエール病診療ガイドラインにもその有効性が記述された。その機序として、大気への開放により中耳腔の陽圧が解消されて内外リンパ圧が調整されること、および中耳腔の大気圧化により酸素分圧が上昇し、内耳の酸素分圧も上昇して血管条機能が改善することなどが推察されているが、未だよくわかっていない。本研究の目的は、経鼓膜換気チューブ留置でめまい発作が制御される機序について、メニエール病モデルモルモットでの組織学的検討、平衡機能評価を含めた基礎および実際の患者での臨床研究の両面から検討を行い、メニエール病による難治性反復性めまい発作に対する新しい治療法を確立することである。
平成25年度の研究結果では、経鼓膜換気チューブ留置によってメニエール病めまい発作が改善する機序は未だ明らかではないが、本研究により、難治性反復性めまい発作に悩むメニエール病患者に大きな福音がもたらされることが予想され、本研究を推進する意義は非常に大きいと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成25年度の研究計画は、メニエール病モデルモルモットの作成と、その内耳での組織学的検討、平衡機能評価システムの確立を目指すものであったが、モデルモルモットの作成で時間を要している。具体的には、リポポリサッカライドの腹腔内投与、バゾプレッシンの鼓室内投与でメニエール病モデルモルモットを作成し、同モデルモルモットにエピネフリン鼓室内投与を行い、メニエール病めまい発作のモデル作成を行うものである。これらのモデルについてはマウスでの報告があり、現在マウスを用いての手技の確認、モルモットへの応用条件を検討中である。

今後の研究の推進方策

1.メニエール病モルモットモデルの確立:申請した研究計画に則って、メニエール病モデルモルモット、めまい発作モデルの確立を目指す。
2.モデル動物内耳の形態、機能の評価:前記モデルモルモットを3群(経鼓膜換気チューブ両耳留置、片耳留置、留置なし)に分け、その後、同モデルモルモット内耳で、免疫組織化学を含めた組織学的検討、Real Time RT-PCRによる内耳組織でのNKCCの発現量の検討を行い、経鼓膜換気チューブ留置の影響について検討する。
3.メニエール病患者での検討:めまい発作の制御が難しいメニエール病患者について、文書による十分な説明と同意を得た上で、局所麻酔下に経鼓膜換気チューブ留置術を行う。換気チューブ留置前と留置1か月後で、めまいによる日常障害度、血漿バゾプレッシン値および標準純音聴力検査での閾値の測定を行い、結果について比較検討を行う。

次年度の研究費の使用計画

メニエール病モルモットモデルの作成条件確立に時間を要しており、初年度の研究計画が遅れている。前述の研究計画に則り、平成26年度の研究計画を遂行する予定である。
前述研究計画の通り、1.メニエール病モルモットモデルの確立2.モデル動物内耳の形態、機能の評価3.メニエール病患者での検討、を行い、研究を遂行予定である。

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi