メニエール病患者での難治性めまい発作制御の治療選択肢の一つとして、経鼓膜換気チューブ留置術の有効性を検討した。まず基礎実験としてメニエール病モデルモルモットの系の確立を試みたが困難であったため、主に臨床研究を行った。メニエール病確実例12例に経鼓膜換気チューブ留置術を行い、めまい発作制御率を検討した。めまい発作制御率は著明改善または改善が10例(83.3%)、また純音聴力閾値は6例(50.0%)で不変であった。これらは内リンパ嚢開放術によるめまい発作制御率と同程度の治療効果であった。今回の検討から、メニエール病患者での難治性めまい発作に対する経鼓膜換気チューブ留置術の有効性が確認された。
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