まずはモルモット蝸牛から得られたコルチ器または急性単離したOHC(外有毛細胞)に作用させその形態変化をビデオ録画し経時的に解析するための準備としてのシステム構築が完了した。OHCにコレステロール除去薬を作用させるとOHC細胞長は短縮し細胞幅は大きくなる。ところが一方、コレステロールをOHCに作用させた場合は、細胞長が変化することはなかった。ROCK inhibitorであるY-27632などを投与しても細胞長自体に変化はなく、コレステロール除去による細胞長変化の度合いを変えることもなかった。このことは膜脂質の増減が細胞骨格に影響するがそのシグナル伝達経路は単一ではないことが推察される。
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