唾液腺に発生する唾液腺導管癌は、局所再発や遠隔転移を高頻度に起こすため極めて予後不良な癌であるが、唾液腺導管癌臨床検体を用いたゲノム解析研究は殆ど行われていない。本研究では、唾液腺導管癌臨床検体を用いた蛋白コード遺伝子と蛋白非コード遺伝子であるマイクロRNAの発現プロファイルを作成し、本疾患に特徴的な分経路の探索を行った。その結果、唾液腺導管癌において、細胞外マトリックスに機能分類される遺伝子群が高発現している事が判明した。また、マイクロRNA発現プロファイルから、唾液腺導管癌において発現が抑制されていたmicroRNA-29bは、細胞外マトリックス遺伝子群を抑制する事が示唆された。
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