研究課題
平成25-26年度の検討ではa-GalCerが舌下免疫療法のアジュバント候補となるかアレルギー性鼻炎モデルマウスを用いて検討した。OVA/a-GalCer-BMDCs口腔粘膜下投与マウスでは、鼻炎症状の増悪抑制、血清中抗原特異的IgE抗体の産生抑制が認められたが、この反応がiNKT細胞依存性であると考えられた。抗原とa-GalCerの同時投与によって活性化したiNKT細胞がIFN-γおよびIL-21産生を誘導し、鼻炎症状抑制に寄与していることが示唆された。この時点までに確認した本治療モデルを実際の臨床に応用するにあたり、in vitroでBMDCsを作成して患者口腔粘膜下に投与する操作をそのまま踏襲することは極めて煩雑であり、安全性や経済性の面からも負担が大きいと考えられた。そこで平成26年度はliposomeの利用を検討した。Liposomeはリン脂質の膜を持ったカプセル様の構造体で、内部にタンパクやペプチドなどを組み込むことができるのに加え、粘膜を通過して局所の抗原提示細胞に取り込まれる特徴を有している。このα-GalCerを組み込んだliposomeと抗原(OVA)をアレルギー性鼻炎マウスモデルの口腔粘膜上に投与(舌下投与)し、症状について解析したところ、OVAとliposome-α-GalCerを同時投与した群では鼻症状の増悪を抑えていることが明らかとなった。
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Clin Exp Immunol
巻: 178 ページ: 65-74
10.1111/cei.12399