研究課題/領域番号 |
25861537
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
泉 修司 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (20452055)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 周波数選択性 / Auditory Neuropathy / 聴覚フィルタ / 語音聴取能 / 中枢性聴覚障害 |
研究概要 |
Auditory Neuropathy(AN)症例は聴力に比して言葉の聴き取りが著明に低下する特徴を持つ。近年その症例数が予想より多いことが判明してきているが、その語音聴取能のメカニズムは十分解明されていない。。われわれは、AN症例の語音聴取能の低下が「周波数選択性」と関連しているという仮説を立てた。その仮説をもとに、正常例、AN症例に対する周波数選択性および各種聴力検査を施行し、その関連を検討する計画にて本研究を開始した。 平成25年度は検査体制の確立を行った。周波数選択性は、一般の聴力検査機器では測定できないため、リオン社の聴覚フィルタ測定装置HD-AFを購入した。現在は、測定技術の安定化と、正常被験者での基礎データ採取を進めているところである。被験者数は20名程度を考えている。また今後はAN症例だけでなく、比較として内耳性難聴症例や聴神経腫瘍症例、中枢性聴覚障害症例などに対する検査も予定している。そのため当科受診症例への検査を行えるよう倫理委員会への申請を行い、受理された。 平成26年度以降は、正常被験者での基礎データをまとめ、ANを含む各種疾患のデータを集めることを当面の目標とする。本研究によって、ANにおける周波数選択性の特徴が解明されれば、従来有効な補聴手段のなかった同疾患に対して、特定の音域に周波数を圧縮するタイプの補聴器を開発するなどの新たな方法が見つかるのではないかと期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
正常被験者でのデータ採取が若干予定通りには進んでいないが、各種疾患の検査を含めた検査体制の確立は順調であり、全体としておおむね順調と考える。
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今後の研究の推進方策 |
予定通り正常被験者でのデータ蓄積を行い、引き続いて各種疾患への測定を開始する。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定より安い価格で購入できたため。 次年度以降の測定に関わる消耗品購入等に使用する。
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