研究概要 |
種々の口腔咽頭癌の手術摘出標本を用いてCCR3、CCR4の発現を免疫組織染色にて検討し、TNM分類、予後、転移の有無、再発の有無に関して統計学的検討を行った。CCR3、CCR4発現の有無とリンパ節転移の有無(TNM分類)において有意差がみられた。 口腔咽頭癌細胞株やその抗癌剤耐性株におけるCCR3の発現をリアルタイムPCR法を用いたmRNAレベルで検討した。抗癌剤耐性株においてはCCR3の発現が亢進していることを確認した。 口腔咽頭癌細胞株(IMC-3)細胞においてCCR3,CCR4それぞれのLigandであるCCL11,CCL22を作用させたところ細胞の形態が変化し、fillopodia様の突起を伸ばす細胞が多く観察されたことはこれまで確認していたが、さらにinvasion assay を行い、Ligandの刺激によりIMC-3細胞の浸潤能亢進していることを確認した。 また、CCR3,CCR4それぞれのsiRNAにてknock downさせると、IMC-3細胞の浸潤能が低下することも確認できた。今年度の実験にて、口腔咽頭癌とその浸潤能、リンパ節転移能とのかかわりが明らかになってきている。
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