研究課題
現在までに発症メカニズムに不明な点の多い、突発性難聴について検討する目的で、候補遺伝子関連解析を実施し、発症に関連した遺伝子としてSOD1遺伝子(rs4998557多型)が関連していることを論文報告した(Kitoh R et al. Acta Otolaryngol. 2016)。この中で、本遺伝子多型については、耳鳴や難聴の重症度との関連性も示唆された。そこでさらに、酸化ストレスに関連した10遺伝子(13遺伝子多型)について、治療効果との関連性を検討した。このうちGSR(rs2251780)、GSR(rs3779647)、NOS3(rs1799983)の3つの遺伝子多型において、聴力改善との関連性が示唆された。また、治療に関連してステロイドホルモンに関連した遺伝子を加えて、突発性難聴の治療効果に関連した要因について検討した。具体的には、候補遺伝子としてNR3C1 (rs4912910)、NR3C2( rs2070951)、ESR1(rs2234693)の3遺伝子(3遺伝子多型)について対象患者の遺伝子タイピングを実施(taqman法)。治療効果(突発性難聴の治療効果判定基準に準じる)と遺伝子型の関連性を検討した。その結果、NR3C1 遺伝子のrs4912910多型でminor homoの症例では、major homo・heteroの症例に比較して有意に治療結果が良好との結果(p=0.037 OR:2.64)であった。その他の2遺伝子多型では明らかな有意差は認めなかった。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)
Acta Otolaryngol.
巻: 136 ページ: 465-469
doi: 10.3109/00016489.2015.1116047