研究課題/領域番号 |
25861546
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
遠藤 志織 浜松医科大学, 医学部附属病院, 医員 (10625205)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | Digital PCR / メチル化解析 / 頭頸部癌 |
研究概要 |
近年、DNAのメチル化を始めとするエピジェネティックな変化が、RNA合成、ひいてはタンパク質の発現を抑制することから、癌化機構の一つとして広く認識されている。2012年春、第三世代PCR機といわれるDigital PCR装置が世界で販売開始された。従来のリアルタイムPCRによる検出と比べ決定的な感度と精度に差があるとされ、HPVをはじめとする微量ウイルスの検出、ウイルス量の定量解析に期待が集まっている。今回我々は、Digital PCR装置を使ったメチル化解析を行い、今まで困難であったFFPEならびに唾液からのDNA微量サンプルからのメチル化解析の方法の確立を行い頭頸部癌のエピゲノム異常の知見を蓄積する。 本年度は、Digital PCR装置での解析のためのサンプルの収集を行っている、頭頸部癌細胞株のFaDu細胞を奈良県立医大より導入し、脱メチル化治療を行いDNAの抽出を行っている。そのサンプルを使って、微量なメチル化度の差を調べていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、Digital PCR装置による解析を予定しているサンプルの調整を完了している。 Digital PCR装置による解析は、バイオラド社による受託解析が本年後秋より開始になっており、来年度はそれを予算の許す限り解析を行っていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、治療前と治療後の唾液を定期的に採取し、治療前と治療後で各遺伝子のメチル化度の変化を調べる。化学放射線治療の反応と各癌抑制遺伝子のメチル化度に特徴的なパターンの違いがあるのか、化学放射線治療後どれくらい遺伝子のメチル化度が減少するのか、腫瘍が再発した際ふたたびメチル化度が上がる遺伝子はあるのかなど、新たな知見を得たい。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究の遂行はおおむね順調であるが、Digtal PCRの解析がまだ始まっておらず、予算の残余が生じたと考える。 本年度は、Digtal PCRの解析を行うため、予算の執行を行えると考える。
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