質量顕微鏡を用いて、ヒト喉頭の脂質分布の測定を行った。マトリックスの調整、スペクトルの最適化を行い、予備実験よりも良好なスペクトルが得られるようになった。結果、これまでの研究では声帯粘膜下組織にはコラーゲン、エラスチンなどの数個の構成物質しか報告されていなかったが、m/z 583.0やm/z 605.0、m/z 621.1などのスペクトルに代表される物質が主に粘膜下組織に多く含まれていることが明らかとなった。 次にこれらの物質が何であるか更に質量顕微鏡で物質同定を行ったが、十分なスペクトルを得ることはできず、物質同定まではいたらなかった。原因としては実験条件の不適当の他に構成物資の存在量が少なすぎるという可能性が考えられる。これらの部分のみ集積を行い、質量分析での解明を目指している。 更に、他のヒト喉頭での同解析を行い、実験結果の再現性を確認する予定である。
|