研究課題
若手研究(B)
頭頸部癌の場合、そのステージによっては放射線療法や化学療法が用いられるが、これらは副作用として激しい嘔気・嘔吐を引き起こすことが問題になる。抗癌剤の投与によって分泌されたセロトニンが5-HT3 受容体の応答を引き起こすことによって、最終的に嘔吐を引き起こすとされていた。つまり抗癌剤が間接的に5-HT3受容体の応答を引き起こすと考えられていたが、我々の検討により抗癌剤の中にはセロトニンの結合部位付近に結合し、5-HT3 受容体の応答性を直接調節することを見出した。ヒトにおいて5-HT3受容体はサブユニット構成が嘔吐に関連するという報告があり、サブユニット構成が抗癌剤による嘔吐に影響を与える可能性があると予想した。そこで本年度は、アフリカツメガエルに5-HT3AおよびBの受容体を発現させ、抗癌剤による応答調節を網羅的に検索し、サブユニット構成によってその応答が大幅に変化する抗癌剤を数種見出し、第56回日本神経化学会大会および第119回日本解剖学会総会全国学術集会で報告した。
2: おおむね順調に進展している
目的の受容体のサブユニット構成が抗癌剤による応答調節に与える影響を検討していたところ、数種の抗癌剤がサブユニット構成によって応答性が変わることを見出した。その成果を第56回日本神経化学会大会および第119回日本解剖学会総会全国学術集会にて報告した。
単独療法より併用療法が一般的に治療で使用されているため、治療を見据え、同時に数種の抗癌剤を投与した時の応答調節について検討する予定である。
スクリーニングの結果、ヒットした抗癌剤が多数あったためその解析をより詳細に本年度は行っていたため、同種類の試薬を使用した結果次年度使用額が生じた。次年度は、ポイントミューテーションに加え、組織の実験等を行うため、初期の計画通りに行う計画である。
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