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2013 年度 実施状況報告書

黄色ブドウ球菌α毒素およびTh22を介した好酸球性副鼻腔炎の病態機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25861562
研究種目

若手研究(B)

研究機関岡山大学

研究代表者

春名 威範  岡山大学, 大学病院, 医員 (70646182)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードIL-22 / 黄色ブドウ球菌 / エンテロトキシン / αトキシン / 好酸球 / サイトカイン / IL-22 / 溶血
研究概要

本年度はIL-22の好酸球性副鼻腔炎における発現と、黄色ブドウ球菌エンテロトキシン/αトキシンによる産生とその臨床的意義について検討した。免疫染色にてIL-22は主に浸潤炎症細胞に発現し、その発現は鉤状突起に比較して鼻茸で強かった。一方、IL-22受容体は主に上皮細胞に発現していた。リアルタイムPCRにて鼻茸および鉤状突起におけるIL-22およびIL-22受容体の発現量を測定した。IL-22 mRNAは鉤状突起、特に副鼻腔炎を合併しない鉤状突起に比較して鼻茸でその発現量が有意に高値であった。特に喘息合併例で発現量が高かった。IL-22受容体mRNA量は鉤状突起に比較して鼻茸で有意に低値を示した。鼻茸の中でも、アスピリン喘息患者での発現量は有意に低かった。鼻茸を酵素処理し、鼻茸細胞を単離した。鼻茸細胞は黄色ブドウ球菌エンテロトキシンやαトキシンの刺激で有意なIL-22産生を示した。鼻茸細胞からのIL-22産生量は鉤状突起から分離した細胞に比較して有意に高値を示した。さらに、エンテロトキシンに誘導されるIL-22産生量とαトキシンによるIL-22産生量は有意な正の相関を示した。外毒素によるIL-22産生量は鼻茸浸潤好酸球数と有意な負の相関を示した。また1秒率を有意な正の相関を示した。以上の結果より、好酸球性副鼻腔炎、特に喘息合併例ではIL-22の産生が亢進しているが、これはIL-22受容体の発現低下を補完するためかNegative feedbackによる可能性が示唆された。また本年度は、慢性副鼻腔炎患者における黄色ブドウ球菌の保菌率と検出された黄色ブドウ球菌の溶血毒の産生率を観察した。副鼻腔炎患者の約半数で、中鼻道鼻汁から黄色ブドウ球菌が検出された。非副鼻腔炎症例と比較して検出率は高かったが、有意な差は認めなかった。黄色ブドウ球菌の98%でα溶血を認めた。以上の結果より、中鼻道に存在する大多数の黄色ブドウ球菌は溶血毒を産生することが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

IL-22産生とその制御作用に関する研究は順調に推移している。αトキシンの鼻汁内検出に関する研究も解析が進んでいる。

今後の研究の推進方策

AhRに関する検討を進める。また粘液産生に対するIL-22やAhRに関する検討も次年度に継続して進める。

次年度の研究費の使用計画

臨床研究棟の耐震化工事による実験室の移転準備および引っ越し並びに仮移転にともに実験室の規模の縮小のため実験計画が予定通りに進行しなかった。
平成25年度に主に試薬費に使用計画していたが、安く購入できたため残額が生じた。平成26年度にて試薬費や成果発表のための旅費への使用を計画している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 慢性副鼻腔炎における黄色ブドウ球菌毒素および鼻腔内細菌バイオフィルムについての検討2014

    • 著者名/発表者名
      春名威範、岡野光博、假谷伸、野山和廉、檜垣貴哉、金井健吾、小山貴久、西﨑和則
    • 学会等名
      第32回日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会
    • 発表場所
      ホテルクレメント徳島
    • 年月日
      20140206-20140208

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公開日: 2015-05-28  

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