放射線耐性頭頸部扁平上皮癌細胞株におけるテロメラーゼ特異的制限増殖型アデノウイルスであるOBP-301と放射線治療の併用効果について検討を行った。OBP-301感染と放射線治療の併用療法は,in vitroおよび同所性頭頸部扁平上皮癌マウスモデルで単独治療と比較して有意に高い抗腫瘍効果を発揮し,相乗効果を認めた。DNA修復機構に関わるMRN複合体の発現がOBP-301によって低下すること,OBP-301と放射線の併用によりアポトーシスが誘導されることが示され,相乗効果の機構と考えられた。OBP-301と放射線治療の併用療法は頭頸部扁平上皮癌に対する新たな治療戦略となりうることが示唆された。
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